入れ歯のメリット・入れ歯のデメリット
入れ歯は古くから、歯を失った方々のお口の機能を支えてきました。近年広く認知されるようになったインプラントと何かと比較されますが、まだまだ多くの方が使用されています。
そのメリットと患者様のご要望がフィットすれば、入れ歯という選択も優れた治療になり得ます。
入れ歯のメリット
広く普及し確立しているため、比較的簡単に治療が受けられる
入れ歯は広く普及しています。丁寧に診てくれる歯科医院であれば、安心して任せられます。
また、多くの歯科医院で取り扱いがあるため、転居先でも調整してもらえる歯科医院を見つけることは、そう難しくありません。
実績が豊富で、使い勝手が想定しやすい
豊富な実績があるため、どんな方に適しているか、どんな利点・手間が生じるかなど、使用後の想定がしやすくなります。歯科医にとっても患者様にとっても、事前のイメージと実際の使用感の差が小さくなります。
取り外して洗うことができるため、歯磨きが難しい方にとっては衛生的
「自分の歯のように磨ける」というインプラントのメリットは、歯磨きが難しい方にとっては逆にデメリットになり得ます。特に将来的に介護が必要になったとき、ご家族など介護者が毎日、適切な歯磨きを行うのは難しく、また大きな負担となります。
その点、入れ歯は取り外しが可能なため、介護者にとってもお手入れがしやすくなります。
調整・修理が可能
調整・作り替えなどによって、加齢と共に変化する口内環境に対応することができます。また、破損したときの修理も比較的容易です。(入れ歯の種類や状態によっては、修理ができないこともあります)
手術が必要ない
特殊な入れ歯を除き、麻酔や手術は必要ありません。
入れ歯のデメリット
安定感に劣る
顎の骨と結合するインプラントと比べると、安定感に劣ります。
また、合っていない入れ歯を使用すると、痛みや違和感が生じます。
周囲の歯・歯肉への負担
バネがかかった歯、噛む力を受ける歯肉に負担が生じます。
隙間に食べ物のカス・汚れがたまる
入れ歯との隙間は、どうしても食べ物のカスや汚れがたまりやすくなります。放置していれば、虫歯・歯周病・口臭の原因になります。
食べづらさを感じることがある
硬い物、餅など、食べ物の種類によっては食べづらさ、噛みづらさが生じます。
取り外して洗う必要がある
毎日取り外し、磨く、もしくは洗浄剤で洗う必要があります。
保険・保険外の入れ歯の違い
保険適用の入れ歯と保険適用外の入れ歯では、以下のような違いがあります。
使える材料の違い
保険適用の入れ歯では、床部分や人工歯が歯科用プラスチック(レジン)で作られます。
一方で、保険適用外の入れ歯は、床部分に金属を使用して薄くしたり、人工歯にセラミックを使用したりと、特殊な素材を使用することができます。
かける手間・使い心地の差
保険適用外の入れ歯の場合、その作製に要する手順が多くなります。
歯科医と技工士が協力し、時間をかけて作製する必要があるため、費用も高くなってしまいます。ただしその分、精密な技術を活かした快適な入れ歯に仕上がります。
最終目的の違い
保険適用の入れ歯も保険適用外の入れ歯も、お口の機能の回復を目的として作られます。
ただ、保険適用外の入れ歯はその先の「美しさ」「さらなる快適性」「扱いやすさ」を追求することができます。
床部分を金属で薄く作ったり、セラミックの人工歯を使ったり、磁力やインプラントで安定を得たりと、さまざまな選択肢があります。
当院の入れ歯の種類
リプロデンチャー
リプロデンチャーは、歯のアンダーカットの部分に、シリコンをを使用することで、隙間を防いで包み込むように義歯が安定するため、噛み合わせにおいても審美性においても優れた入れ歯です。
金属床義歯(コバルトクロム)
床部分の素材に金属(コバルトクロム)を使用しており、食べ物や飲み物の温かさや冷たさもしっかりと感じられ、快適性と耐久性に優れた入れ歯です。
金属床義歯(純チタン)
床部分の素材に金属(チタン)を使用し、コバルトクロムよりもさらに薄く軽いため、快適性・耐久性が向上した入れ歯です。
ノンクラスプデンチャー
保険の部分入れ歯に見られるようなクラスプ(留め金)がない、見た目の良い入れ歯です。クラスプ(留め金)がなくとも、歯茎にぴったりと吸着するようにして安定を得ることができる入れ歯です。
部分入れ歯治療の流れ・期間・通院頻度
部分入れ歯治療の流れ
1. 初診
患者様のご不安、ご希望をお話しいただきます。
治療内容、治療期間、費用のことなど、何でもお尋ねください。
お口の状態をチェックした上で、部分入れ歯の適応かどうかを判断します。
2. 検査
レントゲン検査、歯周病の基本検査などを行います。
3. 型取りと模型作製
お口の中の型取りを行い、模型を作製します。
※当院では3Dスキャナー「iTero Element」を導入しているため、シリコン印象材による型取りは必要ありません。スキャンにより短時間で、精密な口腔内の立体画像データが得られます。
4. 咬み合わせチェック
上下、左右、前後の咬み合わせをチェックします。
チェックした結果を踏まえ、入れ歯の作製を開始します。
5. 部分入れ歯の完成・装着
完成した部分入れ歯を装着します。着脱の練習、お手入れ方法の説明などを行います。
6. 調整
私たちが食べ物を食べるとき、喋るとき、口内に実に複雑な動きをします。患者様ごとの癖などもございますので、装着後、調整が必要になります。
7. メインテナンス
時間と共に、私たちの口内の形状は徐々に変化していきます。それに合わせて入れ歯を調整していく必要がありますので、定期的にメインテナンスにお越しください。
メインテナンスは、3~6か月に一度の頻度で行います。
治療期間について
作製した入れ歯によって異なりますが、初診から入れ歯の完成・装着まで、2週間~2か月程度かかります。
通院頻度について
メインテナンスのため、入れ歯が完成してからも3~6か月に一度の頻度で通院をお願いしております。
総入れ歯治療の流れ・期間・通院頻度
総入れ歯治療の流れ
1. 初診
患者様のご不安、ご希望をお話しいただきます。
治療内容、治療期間、費用のことなど、何でもお尋ねください。
お口の状態をチェックした上で、入れ歯の種類を選択していきます。
2. 検査
レントゲン検査、歯周病の基本検査などを行います。
3. 型取りと模型作製
お口の中の型取りを行い、模型を作製します。
※当院では3Dスキャナー「iTero Element」を導入しているため、シリコン印象材による型取りは必要ありません。スキャンにより短時間で、精密な口腔内の立体画像データが得られます。
4. 咬み合わせチェック
上下、左右、前後の咬み合わせをチェックします。
チェックした結果を踏まえ、入れ歯の作製を開始します。
5. 総入れ歯の完成・装着
6. 調整
私たちが食べ物を食べるとき、喋るとき、口内に実に複雑な動きをします。患者様ごとの癖などもございますので、装着後、調整が必要になります。
7. メインテナンス
メインテナンスは、3~6か月に一度の頻度で行います。
治療期間について
作製する入れ歯のタイプによって異なりますが、初診から入れ歯の完成・装着まで、1~2か月程度かかります。
通院頻度について
メインテナンスのため、入れ歯が完成してからも3~6か月に一度の頻度で通院をお願いしております。
入れ歯の洗浄方法
入れ歯は、天然歯を磨くときに使う、ごく普通の歯ブラシを使って洗うことができます。食べかすなどが残らないように、丁寧に磨いてください。
しっかりと歯ブラシで磨いたなら、入れ歯洗浄剤の使用は必須ではありません。気になるという方は、週に一度、洗浄剤を使うのも良いでしょう。
もちろん、毎日入れ歯洗浄剤を毎日使っていただいても構いません。
※歯ブラシで入れ歯を洗うとき、研磨剤入りの歯磨き粉は使用しないでください。入れ歯が傷つき、汚れがたまりやすくなります